子どもの心のコーチング
会社の近くの本屋に平積みにされていて、立ち読みしたところすごく面白そうだったので買って読みました。とてもいい本だったのでここで少し紹介しておこうと思います。
これから親になる人や、今親である人、子どもを相手にする仕事をしている人におすすめです。
子どもの心のコーチング 一人で考え、一人でできる子の育て方 (PHP文庫)
- 作者: 菅原裕子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/10/01
- メディア: 文庫
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忙しい人のために目次を転記しておきます。(本当はサブタイトルまで書くといいのですが、面倒ですし長くなるので章までです)
- 親の役割は何?
- 子どもに教えたい3つの力
- 子どもを幸せにするしつけ
- 心を結ぶ聴き方・伝え方
- 親の幸せは自分でつくる
ということで、各章について簡単に私の感想を書きます。(簡単といいつつ結局長くなってます。すみません)
親の役割は何?
私はまだ子の親になったことがないので「親の役割」というものを真面目に考えたことはないのですが、これを真面目に考えることは大事だと思いました。自分都合で子育てしてしまうと、自分の都合を子どもに押し付けるだけになってしまいます。親も人間ですし、親にも感情がありますので普通そうなるように思います。
ですが、自分の親としての役割を知ることで、方向性を間違えない、子どものための子育てができるようになるのだと思いました。
ちなみに、子育ての目標は子どもの自立であり、親の役割はヘルプ(やってあげること)ではなくサポート(環境を整えること)だそうです。
子どもに教えたい3つの力
3つの力というのは
- 愛すること
- 責任
- 人の役に立つ喜び
です。
聞いたことのあるタイトルだなぁと思っていたら、学生の最後のころ友達に勧められた本が同じ著者でした。こういう本にアンテナが高いのがさすがだなぁと改めて関心しました。
ちなみに、愛することは生きるために必須の「自己肯定感」を育み、責任は「論理的思考力、行動力」を育て、人の役に立つ喜びは「副作用のないやる気の種」を育てます。
他の友達ですが、責任の教え方がとてもうまい友達がおり、いつも感心しています。
副作用のないやる気の種というのは、褒められるから動く、叱られるから動く、金や物をもらえるから動くのではなくて、人の役に立つのが嬉しいから動くというのがいいということだそうです。逆に考えると前者がダメな理由が分かります。最後の動機以外は、自発的なやる気にはなっていません。
私が子どもの頃、お手伝いをしたら小遣いを上げる制度というのがありましたが、この制度を始めてから妹は何をするにも小遣いをせびるようになりました。私は当時から家では斜に構えていたところがあって、小遣いを譲るだけで色々やってくれる妹は便利だなぁなんて思っていましたが、典型的な「金で動く種」が埋め込まれた状態でしたね。。(反省です)
ちなみにこれについて書いていて気づいたのですが、「刀語」で とがめ が刀集めの仲間を探すときに言っていた言葉に似てますね。「カネで動く人間は駄目だ、名誉で動く人間も駄目だった、愛でうごく人間は信用できる」ってね。(まあ、あんまり関係ないですが)
子どもを幸せにするしつけ
言葉でどんなに言っても、子どもは親を見て育つので、親のしていないことを子どもがするようにはならない。それをどんなにしつけようとしても無駄、ということです。
まあ、そうですよね。当たり前ですがなるほどと思いました。
生活の枠組みをルール化して、親もそれに沿って生活をしましょうと書いてあります。まあそうかなぁと思いますが、実践するのはすごく大変だなぁという気がします。
心を結ぶ聴き方・伝え方
「きき耳」というものがあるそうです。
人は驚くほど人の話を聞いていないというもので、子どもの話を驚くほど正確に聞くことができない耳のことを著者はそう呼んでいます。
この本に載っている「きき耳チェック」というものが斬新なので、以下に転記しておきます。恐らく正しく行動できる人はほとんどいないのではないかと思います。(いや、私のまわりはレベルの高い人が多いしな、実はちゃんと行動出来る人も多かったりして)
あなたの七歳になる子どもが「ピアノを習いたい」と言い出しました。その瞬間あなたの脳裏をよぎったのは、これまで子どもがやりたいと言ってやらせて、うまくいかなかった習い事の数々です。「スイミングは三ヶ月だった…」。またか、と思いつつそうも言えないので、「そうね、そのうちね」と言ってごまかしました。
ところが、半年たっても子どもはわすれません。「ねー、ピアノはいつから?」とうるさく催促します。そこで相談の結果、ピアノを習わせることにしました。ローンを組んでピアノも購入しました。子どもはピアノ教室に通い始めました。
一回目のレッスンから、子どもは大変幸せそうに帰ってきました。それからというもの、いつもごろごろしていた子が、暇さえあればピアノを弾いています。よほど好きなんだと、親としても満足を覚えます。二回目のレッスンではすでに簡単な曲を弾けるようになり、ますます楽しみな日々です。
そして、三回目のレッスンから帰るなり、子どもはこう言いました。
「ピアノやめる。もう行かない」(1) この瞬間、あなたは子どもになんと言うでしょうか? メモ用紙とペンを取って、そのセリフを書いてください。
親の幸せは自分でつくる
子育てをうまくできるためには親自身が精神的に安定している必要がある、ということだそうです。
また、自分ができなかったことを子どもに託そうと考える人は多いと思いますが、それは子どもの人生を横取りする行為ですのでやめて下さい。ということが書いてあります。
子育てをしながら親も一緒に成長しましょうという話です。
自分はまだ親ではないですが、親になったら気を付けたいと思いました。(まあ、親になれるかどうか分かりませんが。)
また、ここに書いてあるものは子育ての話ですが、コーチングの話でもあるので、仕事でのコミュニケーションでも気にしていけたらいいなと思いました。
ということで、長くなりましたがそんな感じで。