"文学少女"と死にたがりの道化

仕事があまりに忙しいと読書がすすむ。
普通に忙しいだけならそこまで進まないけど、あまりに忙しいと現実逃避で本に逃げる。
そしてだんだん本は軽くなっていく。

まあ前からずっと気になっていたので、読むべくして読んだという感じですけどね。
今週後半から食事中などにちょいちょい読み始め、そして昨日の夜仕事が一段落してから残りを読みきりました。

期待通りの面白さでした。そして、予想よりずっと面白かったです。
「文学」とついているから気になっていて、「文学」とついているから内容もそれなりに良いものなのだろうと期待していたのですが、その期待は裏切られることはありませんでした。
よくあるライトノベルみたいに（とはいってもほとんど読んでないので想像でしかないのですが）キャラクタだけで成り立っていたりするわけではなかったのでよかったです。
ストーリーも、著者があとがきに書いてあるように、それなりにシリアスなもので、幾ばくかのミステリーがあり、苦悩があり、少しのどんでん返しもあり、そして最後の場面でもご都合主義に走らないすごく自然なハッピーエンドがあり、普通に面白い物語でした。

題材がいいためか、登場人物の考えがだいたい同感できるものだったのもよかったです。

著者はこの作品のために太宰治を片っ端から読み直したそうです。この著者をちょっと好きになりました。

同じシリーズをまた買ってこようかな。

“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)